仏像の用語/word
仏教、仏像では特有の用語が使われます。ここでは仏像用語を50音順に紹介します。
Buddhism and Buddha statues use specific terms. Here we introduce Buddhist image terms in the order of Japanese syllabary.
人間の愛欲を浄化させて悟りへと導き、男女間の悩みを救ってくれる明王。梵名は「ラーガ・ラージャ」または「マハ・ラーガ」という。獅子の首をあらわした冠をかぶり、その上に武器の五鈷杵を置いている姿が一般的。
大日如来の元で修行して悟りを開いた 東方の妙喜国という浄土に住む仏。梵名は「アクショービヤ(揺るぎないという意味)」、阿閦仏とも呼ばれる。真言密教における金剛界五仏の一つで、真言宗の寺で拝観できる。
阿弥陀如来を中心に、向かって右に 観音菩薩(かんのんぼさつ)、 左に 勢至菩薩(せいしぼさつ) の脇侍(わきじ)を配した形式。
西方の極楽浄土をおさめる仏で、「南無阿弥陀仏」と唱えるだけで 信じる人々を極楽浄土に連れて行ってくれる仏。梵名は「アミターバ(無限の光をもつものという意味)」または「アミターユス(無限の寿命をもつものという意味)」といい、阿弥陀仏とも呼ばれる。人差し指と親指で輪をつくるポーズ(俗に言う OKサイン)が特徴。
飛鳥時代の仏像の目。上まぶたと下まぶたがほぼ同じ長さのアーモンド型。
仏像が座った姿(坐像)の一種。椅子に座っている姿。両足を揃えてすわる「善跏倚坐(ぜんかいざ)」、左右の足を交差させる「交脚坐(こうきゃくざ)」など。
四天王(増長天)下の三十二将中の首位を占める天部の神。伽藍を守る護法神。元はヒンドゥー教の神スカンダと言われている。
三十二相の1つ。すべての毛穴に毛があり、毛穴から香りを出し、毛の色は青瑠璃色。
三十二相の1つ。脹脛(ふくらはぎ)が円く微妙な形。伊泥延は鹿の一種。
元は古代インド神話のウッチュシュマと呼ばれた炎の神と言われている。「烏芻沙摩」「烏瑟娑摩」「烏枢沙摩」とも呼ばれる。天台宗密教では、明王の中心的役割を果たす五大明王の一尊とされている。
三十二相の1つ。陰相(男根)が体内に隠れている。
上まぶたが厚く、厳しいまなざし。災いをもたらす霊を鎮める。奈良時代末期の仏像の目。
仏像が横になり涅槃に入る釈迦の姿をあらわしたもの。釈迦如来像のみ。
迷いを断ち切るための武器。文殊菩薩、不動明王、四天王などが持つ。
薬師如来の脇侍で、月の光を象徴する菩薩。
伝説上の鳥である「迦楼羅」の形をした焔(ほのお)をあらわした火焔光背。明王像の特徴。
漆(うるし)を塗り固めて造った仏像。
「観音さま」と呼ばれ、昔から広く民衆に親しまれていて、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)とも呼ばれる。梵名は「アヴァローキテーシュヴァラ・ボーディサットヴァ」といい、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)・観自在菩薩(かんじざいぼさつ)・救世菩薩(くせぼさつ)などの多数の別名がある。
仏像が座った姿(坐像)の一種。日本式の正座して 腰をやや浮かせている座り方。京都三千院・脇侍菩薩など。
もともとは人の子供を食べる悪鬼だったが、釈迦の教えにより子供を護る守護神となったと言われている。梵名は「ハーリティー」といい、訶梨帝母(かりていも)ともいう。
もとはヒンドゥー教の女神である(梵名)ラクシュミーが仏教に取り入れられたもの。おお元はインド神話の女神で、美と幸福を授ける神とされている。
三十二相の1つ。睫(まつげ)が長く、整っていて乱れない。
眼の全体に水晶を裏からあてて、表情に現実感を持たせる。平安時代末期の仏像の目。
明王のなかでは異色な「穏やかな表情」が特徴。元来はインドの女神 (梵名)マハーマーユーリー(偉大な孔雀の意味)で、摩訶摩瑜利(まかまゆり)、孔雀仏母、孔雀王母菩薩、金色孔雀王とも呼ばれる。インドでは 毒蛇を喰う孔雀(くじゃく)が どんな毒でも消してしまう女神として信仰されていることから、あらゆる毒や病気や災いを消す明王として仏教に取り入れられたと言われている。
阿弥陀如来は親指とほかの指で丸をつくり、禅定の姿を示す。如来像の特徴。
阿弥陀如来の手の形があらわす、死後に向かう極楽浄土のランク。阿弥陀定印(あみだじょういん)、説法印(せっぽういん)で上品上生、中品中生、下品下生などの9ランクをあらわした印。
五大明王(ごだいみょうおう)。手首、足首に蛇を巻きつけ神を逆立て、悪鬼や外敵を退散させる明王。
結いあげた髪。菩薩像の特徴。
刀が股状になっている突き刺す矛(ほこ)の一種。四天王などが持つ。
仏像が座った姿(坐像)の一種。右足が手前の「吉祥坐(きっしょうざ)」と左足が手前の「降魔坐(ごうまざ)」がある。吉祥坐の場合、左足の甲を右ふとももの上に置き、右足の甲を左ふとももにのせる。
三十二相の1つ。40本の歯以外に四牙があり、白く大きく鋭利堅固。
三十二相の1つ。両肩が丸く豊かである。
五色の糸をよった縄。煩悩をとらえると言われる。不空羂索観音、不動明王などが持つ。
神の使者という意味。その神と関連する動物(想像上の動物を含む)。蛇、狐、龍など。もともとは神道の言葉。
五大明王(ごだいみょうおう)の一尊で、東方に配される。梵名は「トライローキャ・ヴィジャヤ(三千世界の支配者シヴァを倒した勝利者という意味)」といい、降三世夜叉明王とも呼ばれる。貪欲、怒り、迷いを退散させる明王。
仏の頭部から発せられる光を表現した「頭光」と、全身を包む光を表現した「挙身光」がある。如来像の特徴。
四天王(してんのう、増長天、広目天、多聞天、持国天)の1神。西牛貨洲(さいごけしゅう)を守護する神。梵名は「ヴィルーパークシャ」。
あらゆる祈願に応えると言われている菩薩。梵名は「アーカーシャ・ガルバ」または「ガガナ・ガンジャ」といい、広大な宇宙のような無限の智恵と慈悲を持った菩薩という意味。智恵・知識・記憶といったご利益がある菩薩として信仰されている。
大日如来を中心とし、東の阿閦如来(あしゅくにょらい)、南の宝生如来(ほうしょうにょらい)、西の阿弥陀如来(あみだにょらい)、北の不空成就如来(ふくうじょうじゅにょらい)の5体をセットとした呼び名。五大如来(ごだいにょらい)とも呼ばれ、密教で5つの知恵(法界体性智、大円鏡智、平等性智、妙観察智、成所作智)を5体の如来にあてはめたものといわれている。
不動明王の眷属(けんぞく)。穏やかな表情をしている。不動明王を中心に矜羯羅、制多迦の二童子を脇侍(わきじ)にした三体の像を不動三尊(三体不動)と呼ぶ。
杵(きね)の形をした古代インドの武器。先端の形で 独鈷杵(どっこしょ)、三鈷杵、五鈷杵などがある。愛染明王、金剛力士などが持つ。
五大明王(ごだいみょうおう)の一尊で、北方に配置される。梵名は「ヴァジュラヤクシャ」といい、どのような障害をも貫く聖なる力を持つ神という意味。5つの目と6本の手を持ち、人の心に巣食う煩悩を退治すると言われている。
三十二相の1つ。全身(身体手足)が黄金色に輝いている。
三十二相の1つ。皮膚が軟滑、一切の塵垢(不浄)を留めない。
仏像が座った姿。さまざまな座り方がある。
仏像(仏)の人間離れした32の身体的な特徴。
四天王(してんのう、増長天、広目天、多聞天、持国天)の1神。東勝身洲(とうしょうしんしゅう)を守護する神。梵名は「ドゥリタラーシュトラ」。
三十二相の1つ。歯の大きさが等しく、硬く、密で、並びが美しい。
三十二相の1つ。両頬が隆満して獅子王のよう。
三十二相の1つ。歯が40本あり、美しく並び鮮白で清潔。
釈迦が入滅後、弥勒菩薩 が56億7000万年後に現われるまでの間、この世にあって多くの人々の苦しみや悩みを救う仏。梵名は「クシティ・ガルバ」といい、一般的には「子供の守り神」として信じられている。
三十二相の1つ。両手足の裏、両肩、うなじの七所の肉が円満で浄らか。
毘沙門天の侍仏。兜跋毘沙門天を両手で支え、大地を神格化した存在。
欲界の六欲天の「初天」、この天に住む仏教における4人の守護神。持国天(じこくてん)、増長天(ぞうちょうてん)、広目天(こうもくてん)、多聞天(たもんてん)。
耳たぶの穴につけるピアスのような装飾具。
仏教の開祖。
釈迦如来を中心に、向かって右に 普賢菩薩(ふげんぼさつ)、左に 文殊菩薩(もんじゅぼさつ) の脇侍(わきじ)を配した形式。
釈迦(仏教の開祖)が出家した後の姿。苦悩する一切の衆生を救済し、人々を悟りの境地へと導く仏。釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ、「釈迦族の聖者」という意味)とも呼ばれる。
先端に輪が複数つき、地面につくと音が鳴る杖(つえ)。地蔵菩薩、長谷観音などが持つ。
人差し指と中指と薬指を軽く頬にあてて考える姿。広隆寺・弥勒菩薩像。
観音菩薩の一種。頭上に変化面、仏頂面、化仏をのせ、数束の髪を両肩に垂らし、大きな耳たぶが特徴の観音菩薩。十一の顔を持ち、多方面の人々の声を聞く能力を持つと言われている。
仏教の信仰の対象である天部の神々。
仏の教えを信じて生きる一般の人々。
三十二相の1つ。手足が柔らかで紅赤色である。高貴の相。
三十二相の1つ。手足の各指の間に、鳥の水かきのような金色の水かきがある。
観音菩薩の一種。観音菩薩の基本形。宝冠をかぶり、左手に蓮華(れんげ)や水瓶(すいびょう)を持ち、蓮華台座にのる姿が一般的です。
三十二相の1つ。身体から四方各一丈の光明を放つ。後光、光背。
三十二相の1つ。上半身に威厳があり、獅子王のよう。
幅の細い布。左肩から右わきに斜めに掛ける たすき状の布。明王像の特徴。
三十二相の1つ。直立(正立)したときに、手の先が膝に触れるほど長い。
片手の手を下し、人差し指(または中指)で地面に触れる形。悟りを得た釈迦が悪魔を退けた姿をあらわす。
三十二相の1つ。身長と両手を広げた長さが等しい。
三十二相の1つ。眼は紺青色。
不思議な甘露水が入っていて、ふりかけると穢れが消えるとされる。観音菩薩などが持つ。
智慧の光明が盛んで、一切を照らし迷いを解く力が大きい智慧の象徴であり、人々をもろもろの苦難から救い出し、この上ない力を得させてくれると言われている菩薩。梵名は「マハースターマプラープタ」といい、「大勢至菩薩」「得大勢至菩薩」とも呼ばれる。
不動明王の眷属(けんぞく)。好戦的な表情をしている。不動明王を中心に矜羯羅、制多迦の二童子を脇侍(わきじ)にした三体の像を不動三尊(三体不動)と呼ぶ。
石を削って造った仏像。
両手を胸の前に上げ、親指と人差し指を合わせて輪をつくる(OKサイン)。如来が説法する姿をあらわす。釈迦如来、阿弥陀如来など。
右手は上げて、左手は下げ、手のひらを開いた形。右は人々の畏れを取り除く施無畏印、左は人々の願いに応じる与願印。釈迦如来など。
観音菩薩の一種。広大無限の慈悲を持ち、広範囲に細やかに人々を救うと言われている。悩みを救い、全ての願いをかなえてくれると言われている。一般には 手は左右で42本か40本。
両手のひらを上に向けて重ねて、親指同士が触れ合う形。瞑想する姿をあらわす。釈迦如来など。
毘沙門天の侍仏。毘沙門天と吉祥天 の息子と言われている。
胸や腕に菩薩像のように 腕釧(わんせん)、臂釧(ひせん)などの飾りつけ。明王像の特徴。
四天王(してんのう、増長天、広目天、多聞天、持国天)の1神。南瞻部洲(なんせんぶしゅう) を守護する神。梵名は「ヴィルーダカ」。
三十二相の1つ。扁平足。足の裏が凹凸がなく平らで、地面を歩くとき足裏と地面とが密着する。
三十二相の1つ。足裏に輪形の相(千輻輪)がある。
三十二相の1つ。足の踵(かかと)が広くて平ら。
足首につける装身具。
三十二相の1つ。足の甲(足趺)が、亀の背のように厚く盛り上がっている。
粘土で造った仏像。
五大明王(ごだいみょうおう)の一尊で、西方に配置される。梵名は「ヤマーンタカ(死神ヤマをも殺す者という意味)」 という。阿弥陀如来(あるいは 文殊菩薩 )の怒りの化身で、水牛に乗る戦勝祈願の神。
如来には蓮華をかたどった 蓮華座(れんげざ)が一般的。如来像の特徴。
三十二相の1つ。身体が広大端正。
二十八部衆(にじゅうはちぶしゅう)の1神。元はバラモン教・ヒンドゥー教・ゾロアスター教の武神(天帝)インドラと言われている。十二天(帝釈天、火天、焔魔天、羅刹天、水天、風天、毘沙門天、伊舎那天、梵天、地天、日天、月天)に含まれる天部。
三十二相の1つ。舌が軟薄で広く長い。
大いなる智慧の光明で人々を照らし、平和と繁栄をもたらしてくれる仏。毘盧遮那如来と同じであるともいわれ、梵名は「マハー・ヴァイローチャナ(虚空にあまねく存在するという意味)」といい、摩訶毘盧遮那如来(まかびるしゃなにょらい)、大光明遍照(だいこうみょうへんじょう)とも呼ばれる。
法華経に登場し、釈尊の説法を賛嘆した仏。梵名は「プラブータ・ラトナ」といい、法華経に登場する「東方の宝浄国の教主」とも言われる。
四天王(してんのう、増長天、広目天、多聞天、持国天)の1神。北倶廬洲(ほっくるしゅう)を守護する神。梵名は「ヴァイシュラヴァナ」。四天王としてではなく 多聞天だけが独立して祀られる時に「毘沙門天」と呼ばれる。
左手の人差し指を伸ばして右手のひらで包む形。智慧を象徴する金剛界大日如来の印。
銅合金などの金属で造った仏像。
三十二相の1つ。頭の頂の肉が隆起。肉髻(にくけい)と呼ばれる。
三十二相の1つ。手足の指が長くて繊細。
忿怒形(ふんぬぎょう)のひとつ。左目を閉じるか半眼とし、右目を開く。平安時代中期の仏像の目。
細い飾り布。両肩に掛けて身体の前に垂らすように着る。菩薩像の特徴。
天(天部)とは、天上世界に住む鬼神(仏教に帰依した神々)を意味する。仏教を信じる心を妨げる外敵から人々を護り、仏法を守護するという役割を持つ。釈迦の説教に感動し、仏教に帰依した(他教、インド神話の)神々。天(天部)は、如来・菩薩の領域と人間(衆生)との中間に位置する。
左手は下げて人差し指と中指を立て、右手は上げて開く。阿弥陀如来が説法する姿をあらわす。
千手観音の眷属(従者)。毘沙門天(びしゃもんてん)、梵天(ぼんてん)、帝釈天(たいしゃくてん)など。
薬師如来の脇侍で、日の光を象徴する菩薩。「日光遍照菩薩」または「日光普照菩薩」とも呼ばれる。
半眼に開き、座禅で瞑想をしている表情。奈良時代前期の仏像の目。
様々な霊験を表すとされる宝の珠。人の願いをすべて叶える不思議な珠。如意輪観音菩薩が持つ。
観音菩薩の一種。人の願いをすべて叶える不思議な珠である「如意宝珠」を持つ観音菩薩。輪王坐(りんのうざ)で座り、頬に手を当てた姿が一般的。
如来とは、「真実から来た者」「真理を悟った者」という意味。如来は、釈迦が出家後に粗末な衣一枚で宝冠、装飾品を身につけない姿。悟りを得て最高の境地に達したものだけに与えられる最高ランクの仏。
如来が身につけている質素な布一枚。如来像の特徴。
僧侶が手にする托鉢(たくはつ)の容器。釈迦如来、千手観音などが持つ。
仏法を守護する八神。
観音菩薩の一種。観音としては珍しい忿怒の姿をした観音菩薩。明王に分類されることもある。
仏像が座った姿(坐像)の一種。左右どちらかの足を反対のふとももの上にのせる。上から見ると片方の足の裏だけが見える。
仏像が座った姿(坐像)の一種。倚坐(いざ)の片足を反対の膝の上にのせた座り方。広隆寺・弥勒菩薩など。
七福神の1神、二十八部衆(にじゅうはちぶしゅう)の1神。梵名は「ヴァイシュラヴァナ」。多聞天は毘沙門天と同一の神。
上膊(じようはく)部につける装身具。菩薩像の特徴。
眉間に右巻きの白毛があり、光明を放つ。菩薩像の特徴。
三十二相の1つ。眉間(みけん)に右巻きの白毛があり、光明を放つ。
毘沙門天の侍仏。法華経の十羅刹女(じゅうらせつにょ)の1つで、仏法の守護を誓った女性の鬼神。
釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来 など 如来の元締めのような存在の仏。大日如来と同じであるともいわれ、梵名は「マハー・ヴァイローチャナ(虚空にあまねく存在するという意味)」と呼ばれる。
観音菩薩の一種。「不空」とは「むなしからず」、「羂索」は鳥獣魚を捕らえる縄という意味。心念不空の索をもってあらゆる人々をもれなく救済するといわれる観音菩薩。
慈悲行の究極である 布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧の六つの力で人々を救い、延命の徳があると言われている菩薩。梵名は「サマンタ・バドラ(普く賢い者という意味)」といい、金剛手菩薩(こんごうしゅぼさつ)とも呼ばれる。
二重まぶた。飛鳥時代後期の仏像の目。
五大明王(ごだいみょうおう)の中心となる明王。「お不動さん」とも呼ばれ親しまれている仏。真言宗・天台宗・禅宗・日蓮宗などの日本仏教で幅広く信仰されている。サンスクリット(梵名)ではアチャラナータ(シバ神の異名)と言われる。「アチャラ」は「動かない」、「ナータ」は「守護者」を意味するため「不動」と日本語訳されている。
目を大きく見開き、にらみつける天部の相。奈良時代の仏像の目。
七福神の1神で、琵琶を持った姿が一般的。元はインドの川の女神。学問・豊穣・金運・開運の神。梵名は「サラスヴァティー」。弁財天は日本の仏教・神道に取り込まれた名称。「財」がつくために金運・開運の神と呼ばれるようになったという説がある。
悪鬼を懲らしめ煩悩を断ち切る剣。明王像の特徴。
竜王の脳中から出た、あらゆる願いをかなえる珠。観音菩薩などが持つ。
戦車の車輪であり、仏の教えの広がりをあらわす。如意輪観音などが備える。
菩薩とは、「悟りを求める者」という意味。菩薩は、釈迦が出家前に釈迦族の王子だったころの豪華な衣装、宝冠、装飾品をまとった姿。つまり、最高の境地である「悟り」を得るために修行中の仏、修行者、如来を目指すもの。
三十二相の1つ。声は清浄、遠くまで聞える。
二十八部衆(にじゅうはちぶしゅう)の1神。元は ヒンズー教の神で世界を創造し 支配する最高神ブラーフマーと言われている。古代インドの神ブラフマーが仏教に取り入れられたもので、十二天(帝釈天、火天、焔魔天、羅刹天、水天、風天、毘沙門天、伊舎那天、梵天、地天、日天、月天)に含まれる天部。
三十二相の1つ。何を食べても食物の最上の味を味わえる。
明王は、如来の命を受けて、いくら諭しても正しい道に向かわない人に対して、髪を逆立てて怒ったり(忿怒相)、手に持った縄で強引に相手を屈服させたりする役割の仏。明王は、密教系の仏像。如来そのものが変化した仏とも言われている。
天上界の兜率天(とそつてん)で修行中の身で、釈迦が入滅後56億7000万年後に現われ、人々を救済すると言われている仏。梵名は「マイトレーヤ」といい、仏教の菩薩の一尊。
三十二相の1つ。体毛がすべて上に向き、右巻きで、紺青色で、柔軟。
桧(ひのき)、榧(かや)、樟(くす)、柘植(つげ)、白檀(びゃくだん)などの木を彫刻した仏像。
智・慧・証の徳を象徴する知恵を司り、永遠の幸福と智慧をさずけると言われている菩薩。梵名は「マンジュシュリー」といい、 妙吉祥菩薩(みょうきっしょうぼさつ)とも呼ばれる。
薬師如来を中心に、向かって右に 日光菩薩(にっこうぼさつ)、左に月光菩薩(がっこうぼさつ)の脇侍(わきじ)を配した形式。
貧しい人々に王侯貴族に負けない 医療と衣食を授けてくれる仏。梵名は「バイシャジヤ・グル」といい、薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)、大医王仏とも呼ばれる。「お薬師さま」と呼ばれ、手のひらに 薬壺(やっこ)を持つ。
万病を癒す薬がはいっている壺。薬師如来が持つ。
仏像が座った姿(坐像)の一種。椅子に座り、足を組まない姿。半跏趺坐(はんかふざ)、半跏踏下坐(はんかふみさげざ)の足をゆるめた形。
愛染明王、十二神将、千手観音が持つ武器。
観音菩薩の一種。中国を代表する美女・楊貴妃の名を冠する華麗な観音菩薩。中国から伝来し、美しい表現であることから この名で呼ばれるようになったと言われている。
珠玉を連ねた装身具。菩薩像の特徴。
右手は上げて、左手は下げ、親指と人差し指を合わせて輪をつくる(OKサイン)。往生者を極楽浄土に迎えにくる阿弥陀如来の印。
釈迦の生前から深く仏教に帰依し、仏法を護持すると誓った弟子たち(十大弟子)や、悟りの境地に近づき尊敬を集めた高僧(十六羅漢、五百羅漢)。
修行中に伸びた神が縮れて一本ずつ右巻きに丸まったもの。如来像の特徴。
仏像が立った姿。足を揃えて立つもの、左右どちらかの足を前に出すものなどがある。
三十二相の1つ。両膝の下にも肉がついていて凹みがない。
仏像が座った姿(坐像)の一種。片膝を立てて、片方の手を後ろの床につく。如意輪観音、馬頭観音など。
泥から生じた美しい蓮(はす)の花、つぼみは清らかな心、悟りの象徴とされる。菩薩が持つ。
釈迦三尊(しゃかさんぞん)、阿弥陀三尊(あみださんぞん)で、中心となる仏の左右に配置される仏。
手首につける装身具。菩薩像の特徴。