菜根譚(さいこんたん)とは?

菜根譚(さいこんたん)は、洪 応明(こう おうめい、字は自誠)が明の時代に書いた随筆集(または思想書、処世哲学書、雑学書)です。菜根譚とは、「菜根は、堅くて筋が多い。これを噛みしめることで真の味わいがわかる」が語源とされています。菜根譚は、短文で 359条(前集225条、後集134条)からなります。菜根譚の前集では「人と人との交わり」を、後集では「自然と閑居の楽しみ」を説いています。菜根譚は、「処世修養篇」とも言われています。菜根譚は、明(および、その後の中国)では重んじられませんでした。日本には江戸時代に伝来し、数々の書籍が出版され、僧侶により仏典に準ずる扱いを受け、実業家や政治家に愛読されてきました。

菜根譚(さいこんたん)が求められる理由

菜根譚は、明時代の末期に書かれた本です。当時は、儒教(日本で言う「道徳」)が廃れて、荒廃した時代でした。そのような混迷の時代に書かれた処世術の書は、現代の日本にも通じるものがあり、混迷する時代の生きる指針の書として、愛読者が増えています。菜根は、「人はよく菜根を咬みえば、すなわち百事をなすべし」という故事に由来します。堅い菜根をかみしめ、苦境に耐えて努力すれば、大成できるというポジティブな考えが、共感を受けているのかもしれません。菜根譚には、逆境をのりきる知恵、真の幸福とは何か、人との付き合い方、自分の器を磨く方法などが書かれています。

逆境をのりきる知恵

菜根譚には、「逆境は良薬」「逆境は人間を鍛える溶鉱炉」など、逆境をプラス要因(前向き)として捉えています。逆境をバネにして次のステージを目指す生き方が、いくつかの文に書かれています。また、逆境で力を蓄え、物事を冷静に見て、逆境を過ごす方法についても書かれています。

真の幸福とは何か

菜根譚は、明時代の末期に書かれた本です。当時は、儒教(日本で言う「道徳」)が廃れて、荒廃した時代でした。儒教が形骸化すると、「何が幸福か?」「真の幸福とは何か?」の基準がアヤフヤになります。菜根譚では、この形骸化した儒教に、道教・仏教の良い部分を加えて、「富や名声によらない幸福」「欲望を制御する大切さ」「普遍的な価値に身をゆだねること」などが書かれています。つまり、形骸化した宗教を再構成し、新しい幸福を定義することで、幸福を見失った人たちを救うための本となっています。

人との付き合い方

乱れた世において人を観察し、人とどのように付き合うべきかといった交際術についても、菜根譚には書かれています。「家族・友人との接し方」「社会人としての振舞い方」「人材育成の方法」など、他者との交際術について、具体的な解決策がかかれています。人付き合いにお悩みの方は、もしかしたら解決のヒントが得られるかもしれません。

自分の器を磨く方法

器(人格)の形成には長い年月がかかり、日々の積み重ねが重要です。終身雇用が崩壊し、個々人の成長が個々人に委ねられている現代において、「どのように生きれば人間的に成長できるか」は共通の課題です。菜根譚では「自分の心を見つめること」「ゆとりをもつこと」「中庸」「高い志」などなど、「人間的な成長」に必要なものが書かれています。ゴールを見失いそうになっている方、成長したいけど方法が解らない方は、解決のヒント・きっかけとなる言葉が見つかるかもしれません。



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