如来の種類

如来は8種類あります。

釈迦如来(shaka-nyorai)

釈迦如来釈迦如来(しゃかにょらい)は、釈迦(仏教の開祖)が出家した後の姿で、苦悩する一切の衆生を救済し、人々を悟りの境地へと導くとされています。釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ、「釈迦族の聖者」という意味)とも呼ばれます。釈迦如来像は、室生寺・釈迦如来像が有名です。

釈迦如来を中心に、向かって右に 普賢菩薩(ふげんぼさつ)、左に 文殊菩薩(もんじゅぼさつ)の脇侍(わきじ)を配した形式を 釈迦三尊(しゃかさんぞん)と呼びます。薬王菩薩と薬上菩薩、梵天と帝釈天などを脇侍に配した形式も(少ないですが)存在します。釈迦三尊像は、法隆寺金堂・釈迦三尊像が有名です。蓮の花弁の大きな光背(こうはい)を背負い、箱形の大きな台座をかせねた上に、(金銅製の)釈迦三尊がすわっています。

釈迦如来は、曹洞宗、臨済宗の本尊として安置されます。

阿閦如来(ashuku-nyorai)

阿閦如来阿閦如来(あしゅくにょらい)は、大日如来の元で修行して悟りを開いた 東方の妙喜国という浄土に住む仏です。梵名は「アクショービヤ(揺るぎないという意味)」といい、阿閦仏とも呼ばれます。真言密教における金剛界五仏の一つで、真言宗の寺で拝観できます。阿閦如来の信仰は盛り上がらず、仏像はとても少ないです。阿閦如来像は、東寺・阿閦如来坐像が有名です。

インドの仏像では、阿閦如来が多く登場します。東京国立博物館では、インドの仏像が展示されています。

阿弥陀如来(amida-nyorai)

阿弥陀如来阿弥陀如来(あみだにょらい)は、西方の極楽浄土をおさめる仏で、「南無阿弥陀仏」と唱えるだけで 信じる人々を極楽浄土に連れて行ってくれる仏です。梵名は「アミターバ(無限の光をもつものという意味)」または「アミターユス(無限の寿命をもつものという意味)」といい、阿弥陀仏とも呼ばれます。人差し指と親指で輪をつくるポーズ(俗に言う OKサイン)が特徴です。阿弥陀如来は、浄土宗の本尊として安置されています。阿弥陀如来像は、清涼寺・阿弥陀如来三尊像が有名です。

阿弥陀如来を中心に、向かって右に 観音菩薩(かんのんぼさつ)、左に 勢至菩薩(せいしぼさつ)の脇侍(わきじ)を配した形式を阿弥陀三尊(あみださんぞん)と呼びます。東京の上野駅前にある東京国立博物館(トーハク)では、阿弥陀三尊が見学できます。

薬師如来(yakushi-nyorai)

薬師如来薬師如来(やくしにょらい)は、貧しい人々に王侯貴族に負けない 医療と衣食を授けてくれる仏です。梵名は「バイシャジヤ・グル」といい、薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)、大医王仏とも呼ばれます。「お薬師さま」と呼ばれ、手のひらに 薬壺(やっこ)を持ちます。薬師如来は、(現世を中心にして)東方にある瑠璃光浄土(るりこうじょうど)におり、現世での病気平癒、安産祈願をかなえてくれる教主です。金色宝光妙行成就王如来(こんじきほうこうみょうぎょうじょうじゅおうにょらい)、善名称吉祥王如来(ぜんみょうしょうきちじょうおうにょらい)、法海勝慧遊戯神通如来(ほうかいしょうえゆげじんつうにょらい)、法海雷音如来(ほうかいらいおんにょらい)、宝月智厳音自在王如来(ほうげつちごんおんじざいおうにょらい)、無憂最勝吉祥王如来(むうさいしょうきちじょうおうにょらい)、薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)という分身もあります。

薬師如来を中心に、向かって右に 日光菩薩(にっこうぼさつ)、左に月光菩薩(がっこうぼさつ) の脇侍(わきじ)を配した形式を 薬師三尊(やくしさんぞん)と呼びます。薬師如来像は、新薬師寺・薬師如来像が有名です。

毘盧遮那如来(birushana-nyorai)

毘盧遮那如来毘盧遮那如来(びるしゃなにょらい)は、釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来など 如来の元締めのような存在の仏です。大日如来と同じであるともいわれ、梵名は「マハー・ヴァイローチャナ(虚空にあまねく存在するという意味)」と呼ばれます。毘盧遮那如来像は、唐招提寺・毘盧遮那仏像が有名です。

大日如来(dainichi-nyorai)

大日如来大日如来(だいにちにょらい)は、大いなる智慧の光明で人々を照らし、平和と繁栄をもたらしてくれる仏です。毘盧遮那如来と同じであるともいわれ、梵名は「マハー・ヴァイローチャナ(虚空にあまねく存在するという意味)」といい、摩訶毘盧遮那如来(まかびるしゃなにょらい)、大光明遍照(だいこうみょうへんじょう)とも呼ばれます。大日如来は、毘盧遮那如来を密教の思想にもとづいて発展させた如来で、全宇宙を神格化した仏です。

大日如来は、金剛界(こんごうかい。悟りへの道筋を表す)と胎蔵界(たいぞうかい。慈悲の広がりを表す)の2つがあります。金剛界の大日如来は、「金剛頂経」にもとづき、悟りをえるために必要な智慧を象徴します。金剛界の大日如来は、智拳印(ちげんいん。左手の親指を中に入れて人差し指を立てた拳をつくり、立てた人差し指の二節から上を右手の拳で握り込む形)を結んでいます。胎蔵界の大日如来は、「大日経」にもとづき、無限の慈悲の広がりを象徴します。胎蔵界の大日如来は、法界定印(ほっかいじょういん。両手のひらを上に向け、左手の上に右手の甲を重ね、 両方の親指を軽く触れ合わせる形)を結んでいます。

釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来などは、大日如来の化身です。大日如来は、他の如来と異なり 宝冠などの装飾品を身に着けています。大日如来は、蓮華座に結跏趺坐し、瓔珞(ようらく)、臂釧(ひせん)、腕釧(わんせん)を身につけている姿が一般的です。

大日如来は、平安時代に真言宗・空海により、日本に伝来したと言われています。大日如来は、真言宗の本尊として安置されています。 大日如来像は 円成寺・大日如来像が有名です。 東京の上野駅前にある東京国立博物館(トーハク)では、大日如来坐像が見学できます。

多宝如来(tahou-nyorai)

多宝如来多宝如来(たほうにょらい)は、法華経に登場し、釈尊の説法を賛嘆した仏です。梵名は「プラブータ・ラトナ」といい、法華経に登場する「東方の宝浄国の教主」とも言われています。日蓮宗・法華宗では、釈迦如来に次いで重視される仏です。多宝如来像は 東大寺・戒壇院の 釈迦如来・多宝如来像 が有名です。

五智如来(gochi-nyorai)

五智如来(ごちにょらい)は、大日如来を中心とし、東の阿閦如来(あしゅくにょらい)、南の宝生如来(ほうしょうにょらい)、西の阿弥陀如来(あみだにょらい)、北の不空成就如来(ふくうじょうじゅにょらい)の5体をセットとした呼び名です。五大如来(ごだいにょらい)とも呼ばれ、密教で5つの知恵(法界体性智、大円鏡智、平等性智、妙観察智、成所作智)を5体の如来にあてはめたものといわれています。五智如来は 東寺・立体曼陀羅の如来部 が有名です。

如来像の特徴

如来像は 螺髪(らはつ)、光背(こうはい)、衲衣(のうえ、粗末な衣一枚)、九品印(くぽんいん)、蓮の台座(だいざ, れんげざ)が特徴です。

螺髪(rahatsu)

修行中に伸びた神が縮れて一本ずつ右巻きに丸まったもの。

光背(kouhai)

仏の頭部から発せられる光を表現した「頭光」と、全身を包む光を表現した「挙身光」がある。

衲衣(noue)

如来が身につけている質素な布一枚。

九品印(kuponin)

阿弥陀如来は親指とほかの指で丸をつくり、禅定の姿を示す。

台座(daiza)

如来には蓮華をかたどった 蓮華座(れんげざ)が一般的。



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