二十四節気と七十二候
二十四節気(にじゅうしせっき)は 1年を24等分し、分割点(節気)を含む日に季節をあらわす名称をつけたものです。このサイトでは、節気とは何か、節気ごとの季語・時候の挨拶、2050年までの節気などについて紹介します。二十四節気を3つにわけた 七十二候(しちじゅうにこう)についても紹介します。
- ,,二十四節気「」,七十二候「」の季語・挨拶
二十四節気(にじゅうしせっき)は 1年を24等分し、分割点(節気)を含む日に季節をあらわす名称をつけたものです。二十四節気は、中国の戦国時代(紀元前403年から221年)に太陰暦による季節のズレを正して、季節を春夏秋冬の4等区分にするために考案された区分手法の1つです。二十四節気は、旧暦(陰暦)をもとにしていますので、日本での季節とは一致しないことがあります。
寒さが本格的になる時期を迎える。寒の入り。
一年の内で最も寒い。
二十四節気の最初の節。この日から春。八十八夜、二百十日は立春が起点。
雪が雨に変わり、雪や氷は溶けて水となる。農耕の準備がはじまり、梅が咲き、鶯 (うぐいす) の声が聞かれる。
蟄虫(すごもりむし)が戸を啓(ひら)く。柳の若芽が芽吹き、ふきのとうの花が咲き、徐々に春めいてくる。
昼と夜との時間が等しくなる。本格的な春の始まり。雀が巣をつくり、桜の花が咲き始める頃。
万物ここに至りて皆潔斎(みな けっさい、潔斎は「沐浴などして心身を清めること」) にして清明なり。さまざまな花が咲くお花見の季節。
降る雨は百穀を潤す。春の季節の最後。田畑の準備が整い春の雨が降る頃。
夏立つ日。この日から夏。夏への気配が感じられる頃。
陽気盛んにして万物ようやく長じて満つ。草木が茂ってあたりに満ち始める頃。
芒種は稲や麦など穂の出る穀物の種。種播き、田植えの時期。
一年のうち昼間の時間が一番長く、夜の時間が短い頃。
暑さも本格的になる時期。梅雨明けが近づき暖かい風が吹きはじめる頃。
最も暑い時期。快晴で気温が上がり続ける頃。
秋立つ日。秋の始まり。厳しい残暑が続く頃。
暑さが収まる頃という意味。暑さが峠を越えて後退しはじめる頃。
陰気ようやく重なり露凝って白し。大気が冷えて、露(つゆ)ができはじめる頃。
昼と夜との時間が等しくなる。本格的な秋の始まり。気持ちのいい秋晴れが続く。
露(つゆ)が冷気によって凍りそうになる頃。雁(かり)などの冬鳥が渡来し、菊の花が咲きはじめる。
露(つゆ)が冷気により霜(しも)となって降り始める頃。
はじめて冬の気配があらわれてくる頃。銀杏の葉が黄色く色づき始め、紅葉(もみじ)が見ごろとなる。
雨が雪にかわりはじめる頃。木枯らしが枝の葉を落とし初雪が舞う季節。
雪が降ると積もるようになる頃。本格的な冬、南天の実が赤く色づく頃。
冬の最中で寒さの厳しい時期。一年で最も昼が短い日。
七十二候は、二十四節気をさらに5日(または6日)ずつの3つ(初候、次候、末候)に分けた期間のことです。七十二候の名称は、気象・動植物の変化を知らせる短文になっています。七十二候を覚えておくと、手紙や茶道の挨拶などの「時候の挨拶」で季節感がだせます。
初候 芹乃栄(せり すなわち さかう):芹(せり)がよく生育する
次候 水泉動(すいせん うごく):地中で凍った泉が動き始める
末候 雉始雊(きじ はじめて なく):雄の雉(きじ)が鳴き始める
初候 款冬華(ふきのはな さく):蕗の薹(ふきのとう)が蕾(つぼみ)を出す
次候 水沢腹堅(さわみず こおりつめる):沢に氷が厚く張りつめる
末候 鶏始乳(にわとり はじめて とやにつく):鶏が卵を産み始める
初候 東風解凍(はるかぜ こおりを とく):東風が厚い氷を解かし始める
次候 黄鶯睍睆(うぐいす なく):鶯(うぐいす)が山里で鳴き始める
末候 魚上氷(うお こおりを のぼる):割れた氷の間から魚が飛び出る
初候 土脉潤起(つちのしょう うるおい おこる):雨が降って土が湿り気を含む
次候 霞始靆(かすみ はじめて たなびく):霞(かすみ)がたなびき始める
末候 草木萠動(そうもく めばえ いずる):草木が芽吹き始める
初候 蟄虫啓戸(ちっちゅう こを ひらく):冬蘢りの虫が出て来る
次候 桃始笑(もも はじめて わらう):桃の花が咲き始める
末候 菜虫化蝶(なむし ちょうと けす):青虫が羽化して紋白蝶(もんしろちょう)になる
初候 雀始巣(すずめ はじめて すくう):雀(すずめ)が巣を構え始める
次候 桜始開(さくら はじめて ひらく):桜の花が咲き始める
末候 雷乃発声(らい すなわち こえを はっす):遠くで雷の音がし始める
初候 玄鳥至(げんちょう いたる):燕(つばめ)が南からやって来る
次候 鴻雁北(こうがん きたす):雁(かり)が北へ渡って行く
末候 虹始見(にじ はじめて あらわる):雨の後に虹が出始める
初候 葭始生(よし はじめて しょうず):葦(よし)が芽を吹き始める
次候 霜止出苗(しも やんで なえ いず):霜が終わり稲の苗が生長する
末候 牡丹華(ぼたん はな さく):牡丹(ぼたん)の花が咲く
初候 蛙始鳴(かえる はじめて なく):蛙(かえる)が鳴き始める
次候 蚯蚓出(きゅういん いずる):蚯蚓(みみず)が地上に這出る
末候 竹笋生(ちくかん しょうず):筍(たけのこ)が生えて来る
初候 蚕起食桑(かいこ おこって くわを くらう):蚕(かいこ)が桑を盛んに食べ始める
次候 紅花栄(こうか さかう):紅花(べにばな)が盛んに咲く
末候 麦秋至(ばくしゅう いたる):麦が熟し麦秋(ばくしゅう)となる
初候 螳螂生(とうろう しょうず):螳螂(かまきり)が生まれ出る
次候 腐草為蛍(ふそう ほたると なる):腐った草が蒸れ(むれ)蛍(ほたる)になる
末候 梅子黄(うめのみ き なり):梅の実が黄ばんで熟す
初候 乃東枯(ないとう かるる):夏枯草が枯れる
次候 菖蒲華(しょうぶ はなさく):あやめの花が咲く
末候 半夏生(はんげ しょうず):烏柄杓(からすびしゃく)が生える
初候 温風至(おんぷう いたる):暖い風が吹いて来る
次候 蓮始開(はす はじめて はなさく):蓮(はす)の花が開き始める
末候 鷹乃学習(たか すなわち がくしゅうす):鷹(たか)の幼鳥が飛ぶことを覚える
初候 桐始結花(きり はじめて はなをむすぶ):桐の実が生り始める
次候 土潤溽暑(つち うるおいて あつし):土が湿って蒸暑くなる
末候 大雨時行(たいう ときに ゆく):時として大雨が降る
初候 涼風至(りょうふう いたる):涼しい風が立ち始める
次候 寒蝉鳴(かんせん なく):蜩(ひぐらし)が鳴き始める
末候 蒙霧升降(もうむ しょうごう):深い霧が立ち込める
初候 綿柎開(めんぷ ひらく):綿(めん)を包む咢(がく)が開く
次候 天地始粛(てんち はじめて しじむ):ようやく暑さが鎮まる
末候 禾乃登(か すなわち みのる):稲が実る
初候 草露白(そうろ しろし):草に降りた露が白く光る
次候 鶺鴒鳴(せきれい なく):鶺鴒(せきれい)が鳴き始める
末候 玄鳥去(げんちょう さる):燕(つばめ)が南へ帰って行く
初候 雷乃収声(らい すなわち こえを おさむ):雷が鳴り響かなくなる
次候 蟄虫坏戸(ちっちゅう こを はいす):虫が土中に掘った穴をふさぐ
末候 水始涸(みず はじめて かる):田畑の水を干し始める
初候 鴻雁来(こうがん きたる):雁(かり)が飛来し始める
次候 菊花開(きくのはな ひらく):菊の花が咲く
末候 蟋蟀在戸(きりぎりす とにあり):蟋蟀(こおろぎ)が戸の辺りで鳴く
初候 霜始降(しも はじめて ふる):霜が降り始める
次候 霎時施(こさめ ときどき ふる):小雨がしとしと降る
末候 楓蔦黄(もみじ つた きばむ):もみじや蔦(つた)が黄葉する
初候 山茶始開(つばき はじめて ひらく):山茶花(さざんか)が咲き始める
次候 地始凍(ち はじめて こおる):大地が凍り始める
末候 金盞香(きんせんか さく):水仙(すいせん)の花が咲く
初候 虹蔵不見(にじ かくれて みえず):虹を見かけなくなる
次候 朔風払葉(きたかぜ このはを はらう):北風が木の葉を払い除ける
末候 橘始黄(たちばな はじめて きばむ):橘(たちばな)の葉が黄葉し始める
初候 閉塞成冬(そら さむく ふゆとなる):天地の気が塞がって冬となる
次候 熊蟄穴(くま あなに こもる):熊が冬眠のために穴に隠れる
末候 鱖魚群(さけのうお むらがる):鮭(さけ)が群がり川を上る
初候 乃東生(なつかれくさ しょうず):夏枯草が芽を出す
次候 麋角解(びかく げす):大鹿が角を落とす
末候 雪下出麦(ゆきわりて むぎ のびる):雪の下で麦が芽を出す