奇門遁甲の概要
奇門遁甲(きもんとんこう)は、中国で発祥した占術・方位術の一種で、方位を使うことで運命を切り開くためのもので、 三国志に登場する諸葛亮 孔明が駆使したことで有名です。
Qi Men Dun Jia、または Qimen Dunjiaで Google検索すれば、中国・台湾・香港などの 奇門遁甲サイトなどが表示されます。ここでは奇門遁甲の概要として、盤の種類(立向盤と坐山盤)、時盤・日盤・月盤・年盤、時盤の時差、盤の表記と構成要素、吉凶方位判断を説明します。
奇門遁甲には、「立向盤」「坐山盤」という二種類の盤があります。立向盤は、移動を主とする方位盤です。旅行、交渉事、試験などの移動を伴う方位行動に使用するものです。坐山盤は、静止を主とする方位盤です。増改築の場合や、立向盤とセットで 相手のある方位行動を分析する場合に使用するものです。一般的には、立向盤のみで方位行動を占います。
奇門遁甲は、取り扱う時間単位に応じて、時盤・日盤・月盤・年盤があります。前述の盤の種類と組み合わせて「立向時盤」「立向日盤」などと呼ばれる場合もあります。奇門遁甲では、日常の方位行動には「時盤」を使います。時盤・日盤を重ね合わせた使い方はしません。2時間以上の期間の行動には時盤を、1日以上の期間の行動には日盤を使います。
【注意 1】日盤を提供しているWebサイトでは「子宝に恵まれる!」などの表記がありますが、1日以上の期間の行動で「子宝に恵まれるか 否か」が決まるとは思えません。
【注意 2】「△月△日の○○方向は金運がいいので宝くじを!」などと述べられたWebサイトもありますが、時盤を使った場合には2時間以上の期間の行動で効果が発揮されるので、自宅から宝くじ売り場の方位を考え、自宅を出発する時刻を時盤で判断し、2時間以上(一説では4時間以上)の期間をかけて移動し、効果が発揮される頃に宝くじ購入...というたいへん手間暇がかかる手順が必要ですが、そのことについては、どこにも記載されていなかったりします。
日盤は、1日24時間で 前日23:00~当日23:00で1つの盤です。時盤は、2時間で1つの盤(子丑寅...)で、奇数時に盤が入れ替わります。場所(お住まいの地域)により、時差の修正が必要です。
時盤には時差があります。日本標準時間は明石ですが 東京は+19分、福岡は-18分の時差があります。
奇門遁甲の盤では、下=北/右=西/上=南/左=東となり、地図とは異なる方位であらわされます。
奇門遁甲の盤は、八方位(北/北東/東/南東/南/南西/西/北西)で構成されています。上記の例では、上段左:南東、上段中央:南、上段右:南西、中段左:東、中段中央:中宮、中段右:西、下段左:北東、下段中央:北、下段右:北西 です。
1つの方位に対して6つの星(天盤・地盤・九星・八門・九宮・八神の星)があります。盤上では、それぞれ1文字の略号で表記されます。
奇門遁甲の6つの星は、「天盤・地盤」「九星・八門」「九宮・八神」の3組に分けて考えます。
「天盤・地盤」の組み合わせで吉凶の判断の60%を行います。
「九星・八門」の組み合わせで吉凶の判断の30%を行います。
「九宮・八神」の組み合わせで吉凶の判断の10%を行います。
また、1)「天盤・地盤」、2)「九星・八門」、3)「九宮・八神」の順に判断をおこなうため、「天盤・地盤」が凶の場合は、八門・八神などが吉であっても、その方位は使用しません。